assetforce導入で棚卸業務を10分の1に効率化
今後はトラブル防止の管理体制構築に活用予定

株式会社サンデリカ(東京都)
(左)取締役 経理本部長 間島 修 様
(右)経理本部 経理部 経理課長 髙村 亮 様

山崎製パン株式会社の100%出資により、1980年に設立された株式会社サンデリカは、調理パン、米飯、惣菜などの製造・販売を手掛けています。高い品質と最善のサービスを追求し続け、現在、全国29カ所の生産拠点を擁する業界トップクラスの企業へと成長しています。2022年、製造現場の機器故障トラブルに迅速に対応することを目指し、全拠点の機器・部品を一元管理するためにassetforceを導入。まずは各拠点の棚卸業務にモバイルアプリを活用し、紙台帳で管理していた固定資産の情報をassetforce上で管理・共有することで、棚卸作業にかかる工数と経理担当者の業務負担を圧倒的に削減しました。RFIDタグとの連携で作業のさらなる効率化を図りつつ、現在、機器・部品の管理体制の構築に向かっています。assetforce導入の背景や導入効果について、同社の経理本部長の間島修様、経理課長の髙村亮様にお話を伺いました。

株式会社サンデリカ

  • 本社所在地
    東京都千代田区岩本町3丁目10番1号 ヤマザキ岩本町ビル6階
  • 設立
    1980年5月9日
  • 代表者
    加藤 新悟
  • 資本金
    20億円
  • 従業員
    7,022名(2022年12月現在)
  • WEBサイト
    http://www.sundelica.co.jp/
  • 事業概要
    調理パン、米飯類、惣菜類、パン、菓子類の製造および販売

課題と効果

導入前の課題
  • 資産に紐付く情報を紙で管理していたため、現場ですぐに機器の情報を確認できない
  • Excelで管理して紙に出力した固定資産台帳と資産ラベルを目視で照合していたため、棚卸作業に時間がかかっていた
  • 棚卸結果を手作業でExcelに転記していたため 、転記ミスが発生し、確認作業に時間がかかっていた
  • 固定資産台帳と現物資産の不一致で、棚卸のたびに機器が見つからない紛失物が発生していた
導入後の効果
  • クラウド上で情報を管理・共有し、現場でも操作マニュアルや仕様書などの情報を確認できる環境を構築
  • RFIDタグを連携させた読み取り機能で、現場での棚卸作業にかかる時間を10分の1 (70時間→7時間)に削減
  • 現場での作業内容が、システムにそのまま反映されるため、経理担当者の転記ミスが防止され、管理効率を大幅に改善
  • 新たな固定資産管理体制の構築で、紛失物の発生を抑制

選定のポイント

  1. それぞれの機器の情報をすぐに確認できる
    それぞれの機器の写真や操作マニュアル、仕様書などの情報を固定資産のデータに組み込めるため、現場ですぐに情報を確認できる
  2. 現場の担当者でも無理なく使える
    取り扱いが簡単なため、現場の工務の担当者などにも無理なく使ってもらうことができる
  3. 導入支援担当者のサポートが充実
    導入支援担当者が現場の工場視察にも積極的に同行し、現場に即した提案をしてくれた
  4. 周辺のシステムを改修する必要がない
    グループ会社全体で利用するシステムに影響を与えず、本システム導入のための改修や特別な許諾が不要だった
  5. サービス利用料・価格面に満足
    利用料が想定より安く、ユーザーアカウント登録数の制限もないため、全29拠点に導入することで、さらなるスケールメリットも出せる
  6. 棚卸作業の効率化ができる
    RFIDタグでデータを読み取れるため、紙の台帳による管理や目視での確認作業、転記作業などが不要

assetforce導入の決め手は、「現場で活用できる」「既存システムと連携できる」

―― assetforce導入検討以前に、御社が抱えていた課題を教えてください。

間島修様(以下、間島/敬称略):導入のきっかけは、当社の製造現場における機器故障などのトラブルを迅速に解決したいと考えたことが始まりでした。現在、全国に29の製造拠点がありますが、それまでどの拠点にどの機器があり、どの部品が保管されているのかという情報も、各種機器の仕様書や操作マニュアルも、紙の書類で管理していました。機器が故障した際、それらの書類は各拠点の事務所に保管されているため、現場には何の情報もなく、その場ですぐに対応することができない状況だったのです。

髙村亮様(以下、髙村/敬称略):機器故障のトラブルがあった際には、膨大なファイルの中から機器の仕様書を探したり、担当者が各拠点に片っ端から電話して、代替機器や修理に使える部品がないか確認したりすることが必要でした。また、ほかの拠点まで部品を取りに行った際に「どこにあるか把握できていない」「部品を探したけれど、実際にはなかった」ということもありました。工場内ではレイアウト変更がよく行われますが、機器を移動していた場合でも次の棚卸作業まで管理情報は更新されないため、把握しきれていない問題もあったのです。

間島:機器が動かなくなることで生産計画にも影響してしまう可能性があるため、早期に取り組むべき課題だと考えていました。しかし、保管している部品や各機器の仕様書などの情報まで管理・共有する仕組みを作る場合は、関係各所を巻き込む一大プロジェクトとなりますから、まずは経理部門のみでできることをやろう、と。そこで、毎年の固定資産の棚卸業務にDXを取り入れ、棚卸作業を効率化しつつ、情報の管理基盤を作ろうと考えたのです。

取締役 経理本部長 間島 修 様

―― 今回、工場の機器・設備の管理にassetforce導入を決定されたポイントを教えてください。

間島:assetforceについて知った時、「そんなに便利なものがあったのか」と驚きましたね。一つ一つの機器の番号を目視で確認・記載する必要がなく、機器に貼ったQRコードを読み取るだけでデータが取り込まれます。当社は紙の台帳で固定資産の情報を管理していましたが、台帳と現物を照らし合わせる作業も、新たな台帳や報告書を作成する際の転記作業も不要になり、作業の効率化とミス防止、さらにペーパーレス化も実現できると考えました。何より、一つ一つの機器に写真や操作マニュアル、仕様書などのさまざまな情報も組み込むことができ、現場でそれらの情報をすぐに確認できる点に魅力を感じました。
これなら機器故障のトラブルにも迅速に対応できる情報管理の仕組みを構築できると思いましたし、今後、また違う観点の仕組みを作る際にも、クラウド上でさまざまな情報を共有できる環境があれば対応しやすいですよね。assetforceは汎用性が高いので、この先もいろんなことに活用できるのではないかと考えています。

髙村:各種機器の導入年、製造年、修理履歴などの情報も、事務所に戻らず、現場ですぐに確認できるのでとても便利です。その情報を使って機器の入替計画も立てやすくなりました。現場での活用という意味では、誰にでも簡単に取り扱える操作性の良さも導入のポイントです。これなら現場で機器の修理を行う工務担当者にも無理なく使ってもらえるだろう、と。もう一つ、大きなポイントとなったのは、導入の際に周辺システムの改修をする必要がないという点でした。余計なコストをかけずに導入できるメリットは非常に大きいですね。

経理本部 経理部 経理課長 髙村 亮 様

間島:当社の場合はヤマザキグループ全体で同じ固定資産システムを使っているので、独自でシステム改修することは難しいという問題もありました。assetforceの場合はそうした問題が一切なく、自社内の判断で導入を進めることができますし、さまざまな既存システムとも連携させやすいと感じます。サービスの利用料金などのコストパフォーマンスも良く、そうした意味でも導入しやすかったですね。また、三井住友ファイナンス&リースの導入支援担当者の方の対応が非常に良かった点も導入のポイントになりました。最初に導入を予定していた工場に積極的に同行してくれて、現場に即した提案をしてもらうことができました。

assetforceの活用によって、棚卸業務を10分の1に効率化

―― assetforce導入前の棚卸業務において、特に大変だったことを教えてください。

髙村:当社では、紙の台帳をもとに手作業で棚卸作業を行っていました。まず本社の経理部から各拠点の経理担当者に向けて棚卸台帳となるExcelシートを送付することから始まります。拠点側でこれを印刷し、資産に貼付されている管理ラベルと照合する棚卸作業を行い、新たに作成した棚卸台帳をPDF化して本社に送付するという流れです。しかし、工場内には、1拠点あたり少なくとも500〜600、多い場合は1000もの機器・設備があります。棚卸作業をする際には、台帳に記載された1000行の情報と目の前の機器の番号を照らし合わせなくてはならないわけです。

※assetforceの推奨利用環境はスマートフォンとなります。

間島:台帳の番号との照合は非常に目が疲れる作業ですし、目視で確認するためミスも発生しやすい。また、工場内で台帳を持ち歩きながら機器の番号を確認することができない点も問題でした。台帳をどこかに置いた上で、それぞれの機器がある場所と行き来しながら番号を照合しなくてはならず、非常に効率が悪かったですね。棚卸業務は各拠点の経理担当者1名が行っていますが、担当者が現場の機器に詳しくないという問題もありました。機器に詳しい工務部のメンバーに同行してもらえば、該当する機器を探しやすいのですが、現場が忙しい時には経理担当者1名で作業を行っていたため、どれが何の機器なのかを確認することにも時間がかかっていました。
その上、台帳に記載されている機器がその場になかったり、逆に、記載のない機器があったりすることも少なくはないため、それらの確認作業も大変でした。各拠点で棚卸作業の進め方が属人化していたことから、現場の機器との照合が正確でないケースもあれば、前任者から機器の移動などの情報が引き継ぎできていなかったケースもありましたね。

髙村:現場で確認できなかった機器については一覧表を作成してもらい、PDF化したものをこちらに送付してもらっていました。これをもとに本社経理部で紛失した資産を集計用Excelに転記し、工場ごとの紛失件数を記録・保管していました。また、棚卸業務の報告書も紙で提出する形式を取っていましたが、転記ミスなどのヒューマンエラーが発生しやすく、本社側でのチェックも必要でした。加えて言えば、当社の工場では食品を扱うため、衛生上の観点から管理ラベルは機器の裏側に貼っており、非常に探しにくいという問題もありました。固定資産の棚卸作業は年度末に間に合うように進めるため、経理メンバーの業務に余裕ができる夏場に実施していますが、経理担当のメンバーにとって非常に負担が大きく、「1年を通じて最も苦痛な業務」となっていました。

―― assetforce導入によって棚卸業務の手順はどのように変更されましたか?また、導入の流れについてもお教えください。

髙村:各拠点の経理担当者にメールで棚卸業務を依頼し、工場で資産に貼付されているQRコードラベルをモバイルアプリでスキャンして棚卸記録を付けてもらいます。食品加工機器のほかにも、天井に備え付けのプロジェクターなどの高所にある機器も安全に資産管理できます。一通りの作業を終えた後、棚卸未済の資産を抽出し、写真を確認しながら資産を探して棚卸作業を実施。その後、本社経理部に棚卸終了の報告をしてもらい、こちらで集計結果を確認・保管して終了となります。全てデータ化されているので、本社側での集計作業も不要になりました。

間島:全29の拠点に一斉導入するのではなく、2022年の7月に1拠点からスモールスタートすることにし、現場での評価を行った後、ほかの拠点にも展開していくというアプローチを取りました。三井住友ファイナンス&リースの導入支援担当者の方には、工場に何度も同行してもらいながら運用方法を教えていただき、QRコードを読み取りやすくするラベルのレイアウトなどについても相談に乗ってもらいました。assetforceは操作性が良く、使い方もわかりやすいので、現場に導入する際にも研修などは行う必要がありませんでした。簡単な設定マニュアルシートを用意し、全国の経理担当者が集まる定例会議で説明したのみで済みました。

髙村:当初はQRコードを読み取る形式にしていましたが、タブレットを近づけないと読み込めないため、「機器の裏側に貼られたラベルに手が届かない」「高所に設置された機器のラベルを読み込むには脚立に登る必要がある」などの問題がありました。効率性や安全性を高めるために、もっといい方法を探したいと考えていました。

間島:そこで、導入支援担当者の方に相談した結果、電波を飛ばしてデータを読み取るRFIDタグを導入し、連携させる方法を提案していただきました。これにより、3メートル程度の範囲のデータを簡単に読み取ることができるようになったのです。かゆいところに手が届く提案をしてもらえたことで、さらなる効率化と事故防止の施策を実現することができましたね。

※assetforceの推奨利用環境はスマートフォンとなります。

―― assetforceを導入されたことによって、どのような効果がありましたでしょうか。

間島:棚卸業務を圧倒的に効率化することができました。紙の台帳で対応していた時は、現場の作業に1週間程度はかかっていました。QRコードの導入によって7日の作業が約4日になりました。以前より効率は良くなりましたが、QRコードの読み込み範囲が短いこともあり、まだまだ作業負担がかかるということで、さらに作業負担を軽減できるRFIDタグのお話をいただきました。RFIDタグを導入・活用したことで550件の機器を擁する拠点で7日(70時間)かかっていた棚卸作業がわずか7時間となり、10分の1に効率化できました。実感値では、紙の台帳の頃と比べて100倍くらい楽になったように思います。

髙村:最初にラベルの貼り替え作業をする手間はかかりますが、その後は非常に楽になりますね。現場の経理担当者からも「作業が早くできるようになった」「これはとてもいい」という声が上がっています。私自身、棚卸作業をやってみたので、効率化できていることを強く実感できました。また、RFIDタグを読み取ると自動的にデータが取り込まれるので、正確性が100%になったことにも大きな効果を感じます。ミスを防止できることで、本社経理部の確認作業の手間もなくなりましたし、ミスが多い拠点に棚卸作業のやり直しを依頼することもなくなりました。

※assetforceの推奨利用環境はスマートフォンとなります。

トラブル対応の管理体制構築へ。社員の安全教育や機器の保全などにも活用していく

―― 今後、assetforceをどのように活用していかれるご予定でしょうか。

間島:現在までに9拠点への導入を終えたので、今夏中に残り20拠点への導入を完了することを目指しています。全拠点に導入した後には、当初に目指していた機器故障のトラブルに対応できる管理体制の構築を進めていきたいと思います。

髙村:当社には、社内で各部署の改善取り組みについて発表する大会があり、経理部ではこの取り組みを発表しました。また、2022年にテレビ番組でこの取り組みが業務改善の事例として紹介され、当社の認知度を高めることもできました。

間島:社内外で本社経理部の取り組みについて知ってもらうことができたと感じます。特に、社内においては、経理部が棚卸作業を進める際、現場の社員は「何をしているのかよくわからない」と感じていたと思いますが、この取り組みが成功事例として広まっていくことで現場にも協力を求めやすくなり、全社を巻き込んで推進しやすくなると考えています。

―― assetforceの活用を新たに検討している業務や展望についてもお聞かせください。

間島:新入社員の安全教育などに活用することも考えています。機器の現物を目の前にしながら、タブレットを使って操作についての研修を実施することも可能です。パートやアルバイトの方々には、外国の方もいるので、座学ではなく、現場で研修を行うことで、働くスタッフの安全を守っていければと思います。そのほか、機器の保全計画にも役立てられるのではないかと考えています。例えば、当社は全29拠点の工場にフライヤーを設置していますが、購入年月日を管理することで、交換やメンテナンスのタイミングも把握しやすくなります。全ての拠点にassetforceを導入することで、スケールメリットはさらに大きくなりますね。
assetforceには、人を増やすことなく、さまざまな面を効率化できるメリットがあります。これからの時代は人口減少が進むため、ロボット化や機械化などで対応していくことが重要であると考えています。DX化を進められる領域はいくらでもあるので、今後もassetforceの汎用性を活かし、さまざまな部分で活用を進めていきたいと思います。

assetforceを活用したサンデリカ様の資産管理のお取り組みが、「地球大好きマダムの太鼓判」(BSテレ東/2022年)で紹介されました。

よくある利用シーン
業務プロセスごとに発生する課題をどのように
解決できるのか、assetforceのよくある利用
シーンをご紹介します。